■爽やかな春風と抜けるような青空の下、第三十七回甲南・鶴丸スポーツ交歓会が幕を開けた。今回は、第三十回大会以来の開催となる水泳を公開競技として実施することができた。また部員不足の関係から、女子ハンドボールと柔道競技を休止し、以前から試合環境の改善を求める声が強かった卓球とバドミントンの会場が、補助体育館から勤労青少年ホームへ変更になった。

■両校生徒会執行部から成る実行委員会は、甲鶴戦をより良いものにするべく、十二月から協議を進め、甲鶴戦を盛り上げるためのあらゆる可能性を模索してきた。応援団は学校中に響き渡るほどの声で練習を重ね、当日は選手たちの熱いプレーに、これまた熱く力強い演舞で華を添えてくれた。そして吹奏楽部、放送部、美術部もまた、より楽しめる甲鶴戦を演出するために随所でその力を存分に発揮してくれた。こうした数々の支えによって、当日は十五競技十七種目が実施された。

■結果は、九対七で鶴丸の勝利。部活動生をはじめ、声の限り応援をした全校生徒の力が合わさって、掴み取ることができた勝利のように思う。一つの勝利の裏には、膨大な時間と多くの人の汗と努力とがある。勝利の喜びを感じつつ、そのことにも静かに感謝したい。閉会式でのエールの交換が印象的だった。勝敗に関係なく、甲南・鶴丸両校が互いにしっかり気持ちのこもったエールを送る姿をみて、ここに交歓会の意義が達成されたと感じた。この甲鶴戦が、両校の人々全員にとって、何かのきっかけになることを切に願う。