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昭和37(1962)年8月29日(水)

南日本新聞

旧一中跡に決まる

鹿児島市に新設の県立高校

来月中には着工

鹿県当局 警察学校 双方が歩み寄る

 

鹿児島県は来春、鹿児島市に開校される県立普通高校(初年度は一学年四百五十人)の敷き地を旧一中あとの警察学校(薬師町三四)に決定した。  この敷き地問題は警察学校との移転交渉が進まず難航していたが、双方が歩みよりをみせたもの。県はすでに同敷き地の地耐力調査をはじめており、九月中に着工する予定。

 

県教委は“終戦っ子”の高校大量入学に対処するため、来年四月開校される新設高校のき地を旧一中あとにしたいと県当局に要望していた。ところが、旧一中あとの警察学校の敷きは県有地だが、て物は国有財産になっているため、県当局と県警察との話し合いがまとまらず、新設高校の着工が遅れていた。この理由は県警察本部が「県が交通の便利な土地をさがし、鉄筋の校舎をつくらない以上、動かない」という主張にたいし、県当局が「土地は提供するが鉄筋校舎を県がつくれとはあまり虫がよすぎる」と反ばくしていたため。しかし、「伊敷の旧練兵場あとに警察学校を移転する」という県当局の提案を県警察本部がこのほど了解した。この場合、移転する建て物をどうするかが問題になっているが、県警察本部は鉄筋校建築費を当初九千万円要求していたが、その後七千万円に修正した。県当局はこの要に対し「警察学校はもともと木造だから、移転校舎は全部鉄筋でなくてもよいはず」と主張してるが、三十一日に双方が意見を調整して結論を出す方針である。

 

しかし、新設高校の敷き地が決定しても、旧一中あとだけに教育界の動きは微妙。鶴丸高PTAは「現在、一中あとの運動場は鶴丸高が使用しているから、新設高校は鶴丸の西教場にべきだ」と陳情している。一方、甲南高関係者の中には「鶴丸高が二つに分かれるなら、甲南も旧二中と旧二高女の二つに分かれるべきだ」という動きをみせている。今後はこの新設校の性格をどうするかが大きな問題になってきた。


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