参考文献

「川内高校・出水高校スポーツ交歓会」

 川内高校の創立百周年記念を祝うにあたって体育科でも「何か生徒のための百年という歴史にふさわしい体育的行事は出来ないか」という話題が持ち上がったのが、丁度昨年の一学期の終わり頃だった。

 二学期に入り、体育主任を中心にそれとなく何度も科内会議も繰り返 しているうちに、他校との「スポーツ交歓会」の話題になった。

①百年という節目に学ぶ生徒の思い出と、教育的効果もある。

②文部省の部活動活性化の推進校の指定も受けている。

 以上の観点から、これは絶好の機会と思い、校長・教頭・教務に相談 し、話がとんとん拍子に進んでいった。実施するとしたら、どこと交歓会をしようか。科内でも話題が次々に飛びかうようになり、実施するからには、同じ悩みをもつ普通校の方が良い、と言う意見で一致をみ、相手校選びの運びとなった。鹿児島市内の普通校も考えられたが、既に、甲鶴戦、中央高=玉龍高、武岡台高=錦江湾高と交歓会を実施している。その結果、同じ地方校としての悩みを持つ進学校ということで、出水高校と交歓会を行なえば本校にとっても、出水高校にとっても意義ある交歓会が出来るのではないかという結論にいたった。早速、両校の校長の意見を伺い、出水高校にも趣旨を理解していただき、スポーツ交歓会の一歩を踏み出した。

 年も暮れになってから、教務主任 ・体育科主任が相手校に挨拶に出 向き、話が徐々に具体化され、その後、二回ほど実施にあたっての会をもった。期日・場所・種目・応援・諸経費等、その他思いがけない色々な問題点も発生したが、全て両校の話し合いで解決した。また、本校の職員会でも全面的に前向きに取り組みをすることで確認がなされ、順調に進んでいった。また、川内市も総合運動公園の競技場等の借用の件についても快く承諾していただき、実施日は四月二日(木)に決定した。   当日の天候は雲ひとつない五月晴れで、あたかも交歓会を祝福しているかのようだった。

 開会式は、総合運動公園陸上競技場で十時から百年記念行事のなかの先陣を切って、川内高校校長の歓迎の挨拶で開会の幕が切って落とされた。そして各学年によるチーム編成での男女のリレーで競技が始まり、引き続き男女五十名ずつによる綱引き競技が行なわれ、両校の即席の応援団員の熱の籠もった声援のもとに出水高校が二勝一敗で勝利し、なごやかな雰囲気のなかに両校が意気投合し、スポーツ交歓会がスタートした。

 その後、川内高校体育館(バスケット・サッカー)と陸上競技場(ラグビー・サッカー)の二ヶ所に別れ、それぞれの競技が実施された。川内高校体育館へはバス七台連ね選手と応援の生徒を運んだが、生徒の移動もスムーズで何の問題点もなかった。川内高校の体育館で行なわれたバレーボール・バスケットボールの試合は、男女共川内高校の勝利。一方、陸上競技場ではラグビーが行なわれ、出水高校に軍配が上がった。サッカーは、接戦の末、川内高校の勝利の女神が微笑んだ。

 午後二時までには、バレーボール・バスケット・ラグビー・サッカーの全ての種目を済ませ、両校全員総合運動公園野球場に集合し、野球試合観戦と応援になった。両校とも即席の応援団員だったが、団員の統制もとれて溌剌とした応援がくりひろげられた。さらにブラスバンドも応援合戦に華を添え、観客席と一体となった応援や、すばらしいエール交換も披露された。試合内容は、川内高校の一方的な流れで幕を閉じたが、勝敗は別として、すべての競技でフェアーなプレーが観られ、また、スポーツ・スピリットを随所に観せてくれ、観客席にも充分な興奮と感動をもたらしてくれた。野球終了後、その場で閉会式を挙行し、その挨拶で出水高校校長から、この交歓会のお礼と講評があり、出水高校の生徒会長からも川内高校の百周年にふさわしい閉会の挨拶があってスポ ーツ交歓会の幕が閉じられた。

 川内高校百年の歴史を誇りに持ち、文武両道に徹し、夢と感動を与 えてくれた選手諸君、この交歓会を、諸君の青春の一ページとして、深く脳裏に刻み一生の良き思い出・財産としていつまでも大事にして欲しい。

 最後に、何処の学校でも共通している課題だが、最近は学校行事も 多く、行事の厳選・精選等、授業時間の確保が叫ばれ、賛否両論がうずまく中で今回の交歓会は、逆行しているかのように見えるが、生徒にとっては充分な成果があり、素晴らしい交歓会が出来たと思う。

 今回のスポーツ交歓会の実施にあたり、両校の生徒諸君はもちろんのこと、生徒会・職員・応援団・ブラスバンドの皆さん、本当に「ご苦労様」 と言いたい。これを契機に、両校が互いに切磋琢磨して発展することを切望する。

【出典】

■書  名 川内高等学校創立百周年記念誌

■編著者 川内高等学校創立百周年記念事業実行委員会事業部記念誌係

■出版年 平成10(1998)年3月

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